歴史の 浪漫街道  蔵のある町並み 蔵街道。 小江戸川越は歴史を今に伝える商人達の気概の蔵店舗
町家建築の歴史的遺産


蔵のある町並み ・ 蔵街道


    小江戸 川越

小江戸川越。 鎌倉幕府の有力御家人である河越氏の本拠地で河越と表記され、 長禄元年(1457)には上杉持朝の家臣の太田道真・道灌親子によって川越城が築城される。 戦国時代には、後北条氏の武蔵国支配の拠点として栄える。 江戸時代には北の守りとして重視され、川越藩の歴代藩主には 松平信綱や柳沢吉保などの江戸幕府の重鎮や、親藩が就任した。
明治時代には埼玉県最大の商業都市となり、穀物の中継地や織物、箪笥の生産地として発展した。 明治26年(1893)3月の大火で市街地が全焼。その大火で焼け残ったのが倉庫構造の建築であった為、 その経験を元に耐火建築である「蔵造り」の建物が多く建てられ、 現在に残る趣のある街並みを形成した。


重厚な甍が連なる蔵の町並み一番街西側。08.01.10. 蔵の町並み一番街東側。08.01.10.   蔵のある町並み 川越。
小江戸川越と称される蔵の町並みは仲町から札の辻までの400M強の長さで、 江戸の面影を色濃く残す町並みです。

小江戸川越は土蔵造りの蔵店舗です。 これは類焼を防ぐ為の巧妙な耐火建築で、江戸の町屋形式として発達したものです。 蔵造りの建築が並ぶ一番街は、今の東京では見る事ができない江戸の面影をとどめている。 平成11年なは重要伝統的建造物群保存地区に指定され、平成19年には 「美しい日本の歴史的風土100選」に選定される。  

川越のシンボル 時の鐘。
約400年前から城下町に時を知らせてきた川越のシンボル。 大火で焼失するも明治28年に再建され現在は四代目で櫓は3層構造、高さ約16メートル。 今も午前六時、正午、午後三時、午後六時の一日四回市民に時を知らせている。
  川越のシンボル時の鐘を西側から望む。08.01.10. 時の鐘を東側から望む。08.01.10.

江戸幕府が江戸市中に鐘を鳴らして時を告げていたことにならい、川越城下で 寛永年間(1624年〜44年)に当時の川越藩主・酒井忠勝が設置したのが始まりです。 平成8年「残したい日本の音風景百選」に選ばれている。  

  一番街西側の蔵の町並み

仲町にドンと構える松崎スポーツ店舗。08.01.10. 見事な町屋造りの荻野銅鉄店(荻野家)08.01.10.   松崎スポーツ店舗。建築は明治34年。 入母屋造り・大きな箱棟と鬼瓦・2重の軒蛇腹・出桁造り・矩折れの下屋庇。 志義町(旧町名)の角に、どかんと立ってる感じです。 2方が開口で、数本の太い柱が全ての荷重を受けている。
町屋造りの荻野銅鉄店(荻野家)
松崎スポーツ蔵店舗 荻野銅鉄店(荻野家)

小江戸川越を代表する重厚な一番街の蔵店舗群。
やまわ(原家)蔵店舗は明治26年から29年の建設。
まちかん(富岡家)建築は明治30年。
深善(小谷野家)明治28〜31年。
  一番街を南から望む。08.01.10. 一番街を北から望む。08.01.10.

一番街のまちかん・町勘(富岡家)08.01.10. 一番街の蔵造り資料館(小山家)08.01.10.   一番街のまちかん・町勘(富岡家)の建築は明治30年。
一番街の蔵造り資料館(小山家)屋号旧万丈 蔵店舗(資料館)と商品搬入のためだけの袖蔵 (現在は観光案内所)は明治26年。
まちかん・町勘(富岡家) 蔵造り資料館(小山家)

文化文政に創業した創作漬物寿しの河村屋。
銀巴里(現理髪店)と富士屋。明治26年 旧正木屋 糸繭製茶煙草問屋。 切妻・出桁造り・2階窓には千本格子戸・店蔵+住居総二階建町屋形式・間口五間の大きな店構え。
  漬物やの河村屋。08.01.10. 銀巴里(現理髪店)と富士屋。08.01.10.
漬物屋 河村屋 銀巴里(理髪店)と富士屋

  一番街東側の蔵の町並み

亀屋(山崎家)08.01.10. くらづくり本舗(小林家)08.01.10.   屋号亀屋(山崎家)明治28年。天明3年(1783)から続く老舗。 一番街商店街沿いには北側に袖蔵(間口2間、奥行き2.5間)と店蔵(間口4間、奥行き2.5間)が立地している。 敷地奥には複数の蔵が連続しその一部を山崎美術館として解放している。
くらづくり本舗(小林家) 明治26年。
亀屋(山崎家) くらづくり本舗(小林家)

山新(服部家)創業は安政4年の下駄・傘・薬種商:現服部民俗資料館  明治26年建築で軒高は低く切妻2階建て 塗家造り・軒蛇腹出し桁造り。
熊重商店(滝島家)と時の鐘の手前の商品蔵は明治28年です。
  山新(服部家)08.01.10. 熊重商店(滝島家)と時の鐘。08.01.10.
山新(服部家) 熊重商店(滝島家)と時の鐘

新築の金笛。08.01.10. 明治蔵(岡家)08.01.10.   金笛(昭和末期の建築で蔵のような雰囲気の建物に新築されている)
明治蔵(岡家)屋号近常.南側はその意匠に合わせて大正時代に増築大正時代の洋風建築を取り入れ、 折衷建築となっている。
近年新築の金笛 明治蔵と大正時代に増築の店舗

大沢家住宅。国指定重要文化財。寛政4年(1792)の建築で、蔵造りのため川越大火にも耐え抜き、 間口が広い、関東地方の町屋としても大変古い例に属す。   間口六間奥行き四間半の大沢家住宅。08.01.18. 金笛に隣接する大沢家住宅。08.01.18.

  周辺の蔵の町並み

昭和の香り漂う町屋の小島家。08.01.10. 松江町の町屋の亀屋(山崎家)08.01.10. 幸町の重厚な扉の足立屋(原田家)08.01.10.
松江町の町屋小島家昭和4年 松江町の亀屋(山崎家)明治38年 幸町の重厚な扉の足立屋(原田家)

松江町の家屋小島家昭和4年。伝統的な町家造りを踏襲した建物でありながら、 昭和初期の特徴である背の高い構造。
亀屋(山崎家)明治38年。 規模の大きい蔵造りであるが、2階部分の開口は川越の蔵で特徴的な観音開きの戸ではなく、 格子をはめ込んだ町屋形式となっている。 東側には間口2.5間、奥行き2.5間の袖蔵が付属している。
足立屋:元穀問屋(原田家)明治27年。 蔵店舗(間口4.5間、奥行き3間)の他、北側に文庫蔵が母屋とともにつながり 一番奥には穀蔵が2棟ある。蔵店舗2階には3つの観音開き戸で、 川越の蔵の中でも重厚豪華な蔵の一つです。
 

百足屋(田口家)明治29年。旧 糸・組紐問屋。 旧上松江町 江戸時代の初めより糸・組紐問屋を営む。 店蔵の脇は袖蔵でなく住居 格子戸に味があり観音開戸は銅版貼り ベレー帽の赤いポストが良く似合う。
川越小饅寿本舗。建築年代不明。
百足屋(田口家)格子戸にベレー帽が風情誘う。08.01.10. 大正浪漫通りの川越小饅寿本舗。08.01.10.
百足屋(田口家) 川越小饅寿本舗


  大正浪漫の町並み

大正浪漫通りの大野屋洋品店。08.01.10. 大正浪漫通りのシマノコーヒー大正館。08.01.10.   大野屋洋品店。昭和5年建築。 和風の瓦屋根に洋風棟飾りを乗せた独特の屋根形状とやさしさを感じさせる洋風デザインが特徴。 隣接は蔵造りの謙受堂。
シマノコーヒー大正館は昭和10年開業と隣接の和菓子伊勢屋も昭和10年開業で三階の円形屋上が珍しい。
大正浪漫漂う大野屋洋品店 シマノコーヒー大正館

田中屋。大正4年建築。一階は喫茶「カフェ・エレバート」 建物は三つのアーチが連なる窓、付け柱、屋号右綴りなど大正洋館風。 隣接は改装中の大正浪漫漂う保刈歯科醫院。
太陽軒。色漆喰の外壁にステンドグラスの美しい洋風建築で 昭和5年頃竣工の木造2階建洋館で、洋食と中華料理の老舗で創業は大正11年。
  蔵の町並みの仲町の田中屋。最近喫茶「バール・デュ・ミュゼ」から変更。08.01.18. 路地中にひっそりと建つ太陽軒。川越市元町1-1.08.01.18.
三連アーチの田中屋 市指定有形文化財 円形ポーチの太陽軒 登録有形文化財

重厚なギリシャ神殿柱がシンボルの川越商工会議所。08.01.10. 大正浪漫そのもの埼玉りそな銀行川越支店。08.01.10.   川越商工会議所:(旧武州銀行)昭和3年竣工。昭和45年より川越商工会議所として使われており ギリシャ神殿風の柱が重厚。
埼玉りそな銀行川越支店:(旧八十五銀行本店本館)大正7年(1918)竣工。 明治11年(1878)に川越に設立された第八十五国立銀行で、 明治31年に普通銀行となり八十五銀行と改称。
川越商工会議所 埼玉りそな銀行川越支店

川越商工会議所・登録有形文化財。埼玉県川越市仲町1−12。
埼玉りそな銀行川越支店・登録有形文化財。埼玉県川越市幸町4-1。
 

yahoo!japan 登録サイトのHPです。

  「北の商都・小樽明治浪漫」にリンク。 「蔵のある町並み・蔵街道」にリンク。