歴史の浪漫街道  お江戸の神輿 今井八雲神社の宵宮は牛頭天王の笹団子祭、宮神輿が5年ぶりの渡御
伝承と伝統の民族文化遺産


祭りだ!神輿だ! お江戸の神輿


    今井八雲神社 今井の天王祭(宵宮は笹団子祭) 平成21年度 (5年毎)

神輿データ:祭神: 建速須佐之男命 台座:三尺(92) 建造年度:江戸後期 製作者: 不明
 新小岩香取神社の修復記念に渡御 左右の屋根が千鳥破風の平屋台造り 宵宮は笹団子祭
 

色取り取りの印半纏も神輿担ぎは息合わせ。09.07.19.
安政年間建造の宮神輿を江戸川区近隣の応援担ぎ手衆が5年ぶりに和して担ぐ

今井八雲のかわら版。09.07.19. 篠崎街道下の八雲神社社殿。09.07.19.   今井八雲神社。
例大祭 09.07.19.(日曜)9時宮出し
今井の天王祭とも呼ばれる。
祭神は疫病の守り神・牛頭天王(素盞雄命)で疫病の流行が最大の恐怖だった昔、その信仰は絶大なものだった。 宵宮の晩に「満月の笹団子」という御神符が授与されるところから笹団子祭とも呼ばれる。
江戸川区江戸川3−24。新小岩香取神社兼務社

旧江戸川河川敷での神輿揉み。09.07.19. 八雲神社前での渡御挨拶の差上げ。09.07.19. 安政年間建造の神輿が担がれる。09.07.19.
河川敷で宮出しの神輿揉み 八雲神社前で渡御の差上げで挨拶 篠崎街道を西進する神輿

この神輿はもともと地元の宮大工が江戸後期に作ったものだが、平成14年(2002)に行徳の後藤直光に依頼し1500万円かけて大修理をした。 旧江戸川と並走する篠崎街道沿い下の北側に社殿があるが境内が狭く、街道向かいの旧江戸川河川敷の空き地にて式典が行われ、 道案内の猿田彦神が子供ひき太鼓と子供神輿が宮神輿と山車を先導する。  

宮神輿は美系の神輿ですが、屋根は正面が一つ巴紋の唐破風、左右が二つ巴紋の千鳥破風屋根、 野筋は蕨手まで繋がっている。   平成14年修復の宮神輿。09.07.19. 独特の千鳥破風屋根。09.07.19.
平成14年修復の宮神輿 独特の千鳥破風屋根

神社名ではない「獅子渡御」の赤提灯。09.07.19. 紅白の座蒲団に乗った獅子。09.07.19. トラックから睨み利かす。09.07.19.
神社名でない「獅子渡御」赤提灯 お囃子トラックに乗った獅子 獅子は前方を睨み守護している

獅子渡御。  今井八雲神社の祭神は疫病の守り神・牛頭天王(素盞雄命)、 除疫神として頭上に牛の頭を持つ忿怒相(ふんぬ・ふんど=いきどおり怒る相)に表される。 今井八雲神社では牛頭天王を獅子にて表現したのか、そして例大祭では「獅子渡御」と称して、 今は担がれないが、この獅子が氏子地域内を巡行して厄払いをしていたのであったと思われる。  

提灯の社紋は巻物が守紋とは逆さ。09.07.19. 手水屋に刻まれた祇園守紋。09.07.19. 祇園守紋の絵図。09.07.19.
八雲神社提灯の社紋 手水屋に刻まれた祇園守紋 祇園守紋の絵図

祭神は疫病の守り神・牛頭天王(素盞雄命)、その発祥の地であるインドにおいては祇園精舎の守護神であったが わが国では御霊信仰と結びついて、荒ぶる御霊神のひとつに数えられるようになっていった。 除疫神として頭上に牛の頭を持つ忿怒相(ふんぬ・ふんど=いきどおり怒る相)に表される。 平安京の御霊社や御霊会などの場で祀られる神の一柱ともなり、 主として疫病よけということに強力な霊験を発揮する。

祇園守とは、京都東山にある八坂神社のお守りをさす。祇園守紋の由来には、三つの説がある。
すなわち祇園社の森の図案化、キリスト教の十字架の図案化、牛の頭部の図案化だが、いずれも決めてを欠いている。 しかし、キリシタン大名やその家臣がクルス紋を祇園守紋に変えてカモフラージュしたことは確からしい。単に守紋ともいう祇園守紋は、 クロスした筒が特徴。後世筒は巻き物に変わったが、呪府のシンボルであることは変わらない。(祇園守)
戦国期以後は、禁教令で家紋が使えなくなったキリシタンたちが、天主を天王に仮託して、この紋を用いたという。
 

笹団子とは。
明治の神仏分離で天王社の祭神が素盞鳴尊に取り替えられたが、 氏子たちには相変わらず牛頭天王です。 そして人々の祈願に対しそれを約束するために神社側から分かち与えられる、 神符にかえた儀礼的食物が存在した。
京都の祇園祭りでいえば、当然それは病よけの笹粽(ちまき)であって、笹で巻いた棒状の角粽、 それが江戸では京都の笹粽に相当するものが笹団子。

神聖なる天王の笹団子祭が行われる都下での神社は
@  素盞雄神社(荒川区南千住6-60)
A  今井八雲神社(江戸川区江戸川3-24)
笹団子の祈願習俗が伝えられ、前日の宵宮祭りの日には、 神社から氏子の家々に笹団子の神符が配られる。
B  蔵前の天王社、現在の浅草橋の須賀神社(台東区浅草橋2-29-16)
牛頭天王の祭りの場に、欠かすことのできなかった笹団子の神供の習俗なのです。
 


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