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古木名木達の歴史的遺産 |
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イチョウの名木達/気根・乳状下垂の不思議 |
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「イチョウ」。 これほど神秘なる樹木はない。進化史的に古い植物で、化石種、遺存種でしられ
地球の地質時代である40億年前から生存し子孫を残し続けているのがイチョウなのです。
「気根」。 根は向地性をもち地中で発達するのが一般的であるが、地上の茎や幹から空気中に
出る根がある。気根である。熱帯のマングローブ、タコノキなどは先端が地中に入り母体を支える
支柱根であるが、イチョウの気根・乳状下垂はなんの為か。遺伝子のなせる業なのでしょうか!! |
写真を拡大表示して頂ければ、より気根・乳状下垂の状況が詳しく見られます。
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善福寺のイチョウの乳状下垂。樹齢770年のイチョウの名木です。
気根は局部に養分の過剰で起こると考えられていますが、何の役割を担っているのだろうか。
総身傷だらけのこの巨木であるが故の子孫維持のためか、この生命力に脱帽するのみです。
既に地表に到達している気根もあり、全ての幹から乳状下垂がみられます。
このイチョウは雄株です。 雌株のように子孫である銀杏を残せないためでしょうか?
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上野寛永寺の均整とれた大イチョウの乳状下垂です。多くの木々が生い茂り
個々の説明板はないが幹の太さや木肌模様から樹齢は200年前後と思われる。
幹は途中から2本に枝分かれしてるが均整とれた乳状下垂である。 |
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上野寛永寺。 明治維新の際の上野戦争で大半が炎上焼失し広大な敷地誇っていた
寛永寺は10分の1に縮小して再建された。東京都台東区上野桜木1-14。 |
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東郷元帥記念公園の大イチョウの見事な気根、乳状下垂です。
樹齢は200年前後と思われます。地上に向けて幾つもの乳状下垂ですが
遺伝子のなせる業でしょうか。この生命力にただただ感嘆するのみです。 |
東郷元帥記念公園。 東京都千代田区三番町18。東郷平八郎(弘文4年1847〜昭和9年1934)の邸宅跡。
日露戦争時に連合艦隊司令長官となりバルチック艦隊を壊滅させて国民的英雄となる。
邸宅は戦災にて焼失後に千代田区立公園となる。 |
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光福寺の大イチョウの気根。古木特有の多数の乳状下垂を付けている。
樹齢約800年の老木でありながらこの気根の成長はまさにイチョウの生命力の強さの証でしょう。
しかも樹高40mの大イチョウにも関わらず無傷なのです。
品川区大井6丁目9。撮影・05.12.23. |
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無数に気根をつけた妙光院のイチョウ。樹齢はたった200年ですが既に多くの乳状下垂を上部の幹につけて
いる。太古の昔から繰り返されている遺伝子のなせる業なのでしょうか。不思議な現象なのです。
府中市本町1丁目16。撮影・05.11.08. |
慶応義塾三田キャンパス内のイチョウの気根。
三田キャンパス中央イチョウが注目されているが
高台にあるキャンパスの北東側にも大イチョウが
凛として立ち並んでいるのです。
その中のただ1本のみ気根、乳状下垂の現象が
見られ樹齢は200年を越しているのでしょう。
三田キャンパス。東京都港区三田2-15。 |
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立川普済寺境内の大イチョウの気根。
立川氏居城の城壁址の土塁の上に2本の大イチョウは養成の剪定の刈り込みで樹形は本来の姿ではないが
気根は成長し続けている。 立川市柴崎町4-20-46。 |
平安時代に立川(立河)氏が地頭となり、戦国時代末期まで領有する。
立川普済寺は文和年間(1352〜1356)地頭の立河宗恒の開基。
地方豪族立川氏が、現在の普済寺に城をつくったことから地名の立川になったと言われている。
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鎌倉の中心である鶴岡八幡宮の大石段脇に凛として立つ有名なイチョウの巨樹。
鎌倉幕府3代将軍源実朝がこの樹の影に隠れていた別当公暁(くぎょう)に暗殺された話は、
歴史で必ず出てくる有名な話で歴史上最も有名な樹、まさしくイチョウの名木なのです。
樹齢約1000年。樹高30.5M。幹周り6.8Mの神奈川県の天然記念物です。撮影・06.04.21. |
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鶴岡八幡宮。康平6年(1063)源頼義が石清水八幡宮の分霊を鎌倉由比郷鶴岡に勧請し
治承4年(1180)源頼朝が今の地に移して旧名を受け継ぐ。源氏の氏神として尊敬された。
神奈川県鎌倉市雪ノ下2丁目。 |
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平成18年4月 |
樹勢衰えず |
残念!根元から折れた大銀杏 |
本宮より下段望む |
鶴岡八幡宮で平成22年3月10日4時40分ごろ、急速に発達した低気圧の影響で強い風が吹き、
樹齢1000年余りとされる御神木の大銀杏が根元から折れた。
同4時15分ごろから5分おきぐらいに「ドンドン」という音がなり、
40分ごろに雷が落ちたような大きな音がしたとか。根元部分は空洞になっていた。
定期的に剪定も施されて樹勢豊かだあったのに。
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千葉寺の大銀杏の乳状下垂。
善福寺の気根ほど太くはありませんが、無数の気根・乳状下垂が見られます。
千葉の天然記念物で
和銅2年(709)僧行基がもたらしたと伝えられる。樹高30M 幹周り8Mの大イチョウです。
千葉市中央区千葉寺町161。
千葉寺:千葉市内最古の寺院で奈良時代の和銅2年(709)の創建です。 |
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大塚神明社の大イチョウの乳状下垂。樹齢は約500年です。
良くみれば時を経てきた傷を多く持っている。八王子市鹿島112。 |
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熊野神社のイチョウ。樹齢は約150年です。この樹齢ぐらいでは気根の成長もまだまだですね。
野猿街道沿い。八王子市東中野497。 |
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厚木市熊野神社の大イチョウの気根。
樹齢が460年の途中で幹が二つに分かれた
古木ですが乳状下垂は真直ぐ地上に向かっている。
指定天然記念物です。厚木市旭町3丁目14。 |
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靖国神社参道のイチョウ並木の中に気根をつけたイチョウがある。
樹齢はまだ140年であるのに。この生命力には脱帽です。
千代田区九段北3丁目。 |
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