谷中ショウガ: 諏方神社周辺(荒川区西日暮里2丁目・5丁目は、かって江戸時代からショウガの産地で、
農家の人達は豊作の祈願に当社を訪れた。
ショウガは保水力のある肥沃な土壌で栽培すると、柔らかく品質の良いものが穫れる。
この環境にぴったりの谷中で穫れるショウガはあまり辛くなく、クリーム色の地下茎の節に赤味が入り美しく、
スジも少なく味噌をつけて食べると、歯ざわりと風味が良く、江戸庶民の好んだ野菜のひとつです。
収穫時がちょうどお盆の時期にあたるため、商人や職人、谷中の寺社等が、
お中元の贈答品に利用したため江戸中の評判になり、ショウガの特産地となりました。
以来「谷中」の名はショウガの代名詞となり、今でも粋な符丁として、市場や居酒屋等で呼ばれています。
明治16年(1883)に上野と熊谷の間に鉄道が敷かれて急速に市街化が進み、大正末期には尾久、
さらに荒川を渡って埼玉県へとショウガの産地は移っていきました。 |
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