歴史の浪漫街道/復刻版洋画看板Ⅱ

無名の民達の歴史的遺産　

復刻版洋画映画看板　Ⅱ

イタリア1954年制作。フェデリコ・フェリーニ監督。大力自慢の大道芸人ザンパノが、白痴の女ジェルソミーナを奴隷として買った。男の粗暴な振る舞いにも逆らわず、彼女は一緒に旅回りを続ける。やがて、彼女を捨てたザンパノは、ある町で彼女の口ずさんでいた歌を耳にする……。野卑な男が、僅かに残っていた人間性を蘇らせるまでを描いた作品でフェリーニは一躍有名監督となる。

イギリス1955年制作。キャサリン・ヘップバーン主演。ベニスに観光で訪れたオールド・ミスのジェーンはハンサムな男性と知り合う。彼の案内でベニスを観てまわる内、恋心が芽生えたがジェーンは、自分がからかわれていたと思い込み、ベニスを立ち去る決心をするが……。有名なラスト・シーンが心に染み入る傑作メロドラマ。

イタリア1956年制作。ピエトロ・ジェルミ主演監督。第2次世界大戦後のイタリアに生きる庶民の人生の歓びや哀しみを、初老の鉄道機関士の姿を通して描いた感動作。 50歳のクリスマスを迎えたイタリアの鉄道機関士アンドレア・マルコッチは、末っ子のサンドロから英雄のように慕われていたが・・下積み生活長く主演も兼ねた監督作である「鉄道員」がやっと評価され61年の「イタリア式離婚狂想曲」でアカデミー脚本賞を受賞。 66年の「蜜がいっぱい」でカンヌ映画祭グランプリを受賞して国際的に名声を得た。

アメリカ　1957年制作。ロバート・ミッチャム、クルト・ユルゲンス主演。歌手から役者へ、そして監督・製作業に転向したD・パウエルの紛れもない代表作であり最高傑作。第二次大戦下の南大西洋を舞台に、アメリカ駆逐艦とドイツ潜水艦の文字通り息詰まる戦いを描く。ミッチャム、ユルゲンスの対照的なキャラクターも際立っていた。

アメリカ　1957年制作。ウィリアム・ホールデン主演。タイとビルマの国境近くにある日本軍の捕虜収容所では連合軍捕虜を使って国境に流れるクワイ河に橋を架ける準備が進められていた。英軍大佐はジュネーヴ協定に反するとして所長と対立。英軍大佐の気骨に共感した所長は捕虜の恩赦を条件に再度協力を要請。捕虜たちに生きがいを与えようと考えていた大佐はこれを承諾して建設工事が始まった。だが同時に収容所から脱走した米海軍少佐の手引きによって、連合軍による架橋爆破作戦も開始されようとしていた……。名作です。所長の斎藤大佐は早川雪洲。「クワイ河のマーチ」がヒットする。

残像が甦る私の名作　「ベン.ハー」　（板観未制作）

アメリカ　1959制作。チャールトン・ヘストン、ジャック・ホーキンス、ヒュー・グリフィス。ユダヤの豪族の息子ベン・ハーの数奇な運命を通してローマの圧政とキリストの最期を6年半の製作期間と54億円の巨費で描いた一大スペクタクル。些細な出来事から旧友メッサラの裏切りにあい、奴隷船送りとなったベン・ハーはそこで命を救ったローマの将軍の養子となる。束の間の安住の後再び故郷へ戻った彼は別れた家族が獄中死したと聞かされ戦車競技に出場する事を決意する。そこではメッサラとの宿命の対決が待っていた。
240分の長編映画で興奮するも2回休息中断があった記憶あり。

アメリカ 1959年制作。マリリン・モンロー主演。禁酒法時代真っ只中のシカゴ。ギャングの抗争に巻き込まれ、聖ヴァレンタインの大虐殺を目撃した二人のバンドマン・・マリリンモンローは'52年「ノックは無用」で初主演して注目をされるようになり以後「ナイアガラ」「紳士は金髪が好き」などで人気を不動の物とする。

マリリンモンロー（1926～62）故ケネディ大統領などとのスキャンダルもあるが結婚は16歳で工員と野球選手のジョー・ディマジオそして劇作家のアーサー・ミラーだが、その全てが離婚に終わっている。 62年8月ロサンジェルスの自宅で睡眠薬の多量摂取により死亡享年36歳でした。 “セックス・シンボル”の代名詞とも言われ世の男性陣を魅了し続けた彼女も内面的にはかなり複雑なものがあったのでしょう。もう2度と彼女のような女優は誕生しないであろう。御多聞に漏れず私の青春時代にも妖艶で魅惑的なモンローにときめいていた。

残像が甦る私の名作　「太陽がいっぱい」

フランス1960年製作。アラン・ドロン主演。音楽ニーノ・ロータ。メロディーが素敵でした。貧しい青年トムが、富豪の友人フィリップを殺害した。そして、彼に成り済まして財産を奪おうとする。身分証の偽造や筆跡の練習、トムの緻密な計画は完璧に見えたが……。冷徹な青年にA・ドロンが扮するサスペンスに満ちたミステリ劇。原作はP・ハイスミス。

アラン・ドロン。フランス（1935～）17歳で外人部隊へ入隊。除隊後世界各地を放浪し56年デビュー。 58年「お嬢さん、お手やわらかに！」で日本でも人気が上昇。「太陽がいっぱい」で爆発的人気を得て大スターへと成長する。「危険なささやき」で監督業に。「真夜中のミラージュ」ではセザール賞主演男優賞を受賞。 '98年旧友のジャン＝ポール・ベルモンドとの共演で話題を呼んだ「ハーフ・ア・チャンス」を最後に引退宣言をした。しかし'00年に復帰しTVドラマを中心に活躍を続けている。

残像が甦る私の名作　「アラビアのロレンス」

イギリス1962年製作。原作 T・E・ロレンス。「アラビアのロレンス」は監督デヴィッド・リーンの名作なのです。ドイツ・トルコ軍にアラブ民族と共に立ち向かうロレンス。私には鳥取砂丘しか知らなかったが荒涼たる灼熱の砂漠の印象が強烈でした。

残像が甦る私の名作　「007/ロシアより愛をこめて」　（板観未制作）

イギリス　1963年制作。ショーン・コネリー、ダニエラ・ビアンキ、ロバート・ショウ。英国情報部にソ連情報部のタチアナという女性が亡命を希望してきた。彼女は手土産に最新式の暗号機を持ち出すという。そして、彼女自身の希望で、ジェームズ・ボンドが派遣されることになった……。国際的犯罪組織スペクターが仕組んだ英ソ間を巻き込む陰謀との闘いを描く。
「007/ドクター・ノオ」（1962）でボンド役を得てから人気上昇。「007/ゴールドフィンガー」（1964）「 007/サンダーボール作戦」（1965）「007/007は二度死ぬ」（1967）「007/ダイヤモンドは永遠に」（1971）のショーン・コネリー007シリーズ作品がある。

アメリカ1967年製作。「俺たちに明日はない」不況時代のアメリカ30年代に実在した男女二人組の強盗ボニーとクライドの凄絶な生きざまを描いたアメリカン・ニューシネマの先駆け的作品。ケチな自動車泥棒だったクライドは、気の強い娘ボニーと運命的に出会い、コンビを組んで強盗をやりはじめる。二人は順調に犯行を重ねていくが。なぜかはかなさを感じた。

アメリカ1970年製作。名家の四世オリバーとイタリア移民の娘ジェニーという余りにも身の上の違う2人の切ないロマンスを描いた不朽の恋愛映画。法律学校へ入る少し前にジェニーと結婚。学費や生活費の為にジェニーは働き貧しいながらも幸せな日々を送っていた。法律事務所へ勤めるため、2人はニューヨークへ移るのだったが。愛とは切ないものと認識？？

アメリカ　1970年制作。ジョン・ウェイン主演。西部開拓時代の英雄ジョン・シンプソン・チザムの活躍を描く西部劇。 1878年。ニューメキシコ。広大な牧畜王国を築き“ペコスの王者”の異名を持つジョン・シンプソン・チザム。一方、町で急速に台頭していたローレンス・マーフィーは、数々の悪質な手口でその勢力を拡大していく。やがて、両者は激しい抗争を繰り広げるのだった・・・

ジョン・ウェイン：フォックス撮影所でアルバイトをしている時にジョン・フォード監督と知り合う。 30年「ビッグ・トレイル」の主役に抜擢され芸名をデューク・モリソンからジョン・ウェインに改名。 39年フォード監督の「駅馬車」に出演して人気を確立。以降、西部劇の人気スターとして活躍する傍ら、「拳銃の町」など製作者としても活動。60年代に入ってからはガンに侵された体と戦いながらも出演を続け、 69年「勇気ある追跡」にて念願のアカデミー主演男優賞を受賞。’29～’76まで95本の出演作品がある。

残像が甦る私の名作　「ゴットファーザー」　（板観未制作）

アメリカ　1972年制作。マーロン・ブランド、アル・パチーノ、ジェームズ・カーン。
マフィアの世界を克明に描きベストセラーとなったマリオ・プーゾの同名小説をフランシス・コッポラが映画化した一大叙事詩。シシリーからアメリカに移住し一代で財を成したドン・コルレオーネ。三男のマイケルはひとり堅気な人生を送ろうとしていたが、敵対するファミリーにドンが襲われ重傷を負った時、彼は報復を決意する。そしてニューヨークは抗争の場と化していった……音楽ニーノ・ロータ。
渋い。もはやブランドを風格や雰囲気で勝る俳優は出ないのではないでしょうか。

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