歴史の
浪漫街道
洋画。あの頃の青春時代模様、 雄大な砂漠を背景の西部劇と魅惑の女優の記憶が蘇る。
無名の民達の歴史的遺産
復刻版洋画映画看板 T
アメリカ1936年。チャップリンが機械文明に対して痛烈な諷刺を持って描いた作品。 文明という名の機械化の波があれよあれよという間に押し寄せてきた30年代。 工場で働くチャーリーは、スパナを両手に次々と送られてくるベルトコンベアーの部品にネジを締めていた。 ところが絶え間なく運ばれてくる部品を見ている内に、段々彼の頭がおかしくなっていった……。
戦前の作品でありながら皆が知っている機械万能主義と資本主義社会を痛烈に批判した作品なのです。
チャールズ・チャップリン。イギリス(1889〜1977) トレードマークとなるだぶだぶズボンにドタ靴、山高帽、チョビ髭、そしてステッキという姿で登場して人気者となる。 サイレント作品「街の灯」は、盲目の少女との恋を悲しくも暖かに描き世界中で大ヒット。 続く「モダン・タイムス」ではエスカレートする資本主義社会を、 「チャップリンの独裁者」ではヒトラーを痛烈に皮肉り、映画史に残る傑作を生み出す。 「チャップリンの殺人狂時代」「ライムライト」等の名作もある。 「独裁者」はチャプリン初のトーキー映画となった。 反共を掲げる米世論の批判を受け'77年のクリスマスの日スイスの地で永眠。
フランス1937年制作。ジャンギャバン主演。フランスの植民地アルジェリアの首都アルジェの暗黒街カスバ に王者の様に畏敬され友達の様に親愛されている男がいる。ペペ・ル・モコと呼ばれるフランス人だ。 強盗三十件銀行襲撃二件とパリ警視庁の犯罪録に載っているお尋ね者である。 アルジェの警察当局は武装して数回カスバを襲ったが毎回幾人かの犠牲を出すばかりで、 ぺぺはおろか彼の配下の者一人もからめ取る事は出来なかったが・・結末は悲劇。 全ての映画で存在感ある演技に私は惚れていた。
残像が甦る私の名作
「カサブランカ」
アメリカ 1942年制作。ハンフリーボガード主演。 戦火近づく'40年の仏領モロッコのカサブランカが舞台。 自由を求めて渡米しようとする人々で溢れていた。ナイトクラブを経営するリックの元へ、 ナチの手を逃れてここまでやって来た抵抗運動の指導者が現れる。 だがその人物の妻はかつてパリでリックと恋に落ちたイルザだった……。 イングリッドバーグマンこれぞ西洋の美女か!とそしてこの名セリフ「君の瞳に乾杯!」 言わずと知れたアメリカ映画の古典的作品でアカデミーの作品・監督・脚色賞を受賞。
'06.04.07.米脚本家組合(会員10000人)で今回初めての「偉大な脚本歴代百一」に 「カサブランカ」を選出する。 以下1400の作品から '72.「ゴッドファザー」 '74「チャイナタウン」 '41「市民ケーン」 '50「イブの総て」が選ばれた。
京都の新京極八千代館のカサブランカ。大正時代は芝居小屋であったが映画館として昭和元年(1926)開館する。 戦後は外国映画も上映していたが昭和30年代(1955)より成人映画専門館となる。
八千代館にあるカサブランカの映画看板は外国映画上映時のものかと思ったが 阿久悠原作の瀬戸内少年野球団(1984)のロケの時に製作された看板とのことである。
看板設置情報:埼玉鴻巣市・宇田さん(同窓生)
アメリカ1946年制作。ヘンリー・フォンダ主演ジョン・フォード監督。 メキシコからカリフォルニアへ牛を運んでいた途中、 アリゾナのトゥームストンへ立ち寄るワイアット・アープとその兄弟。 留守をまかせていた末弟は何者かに殺され牛も盗まれてしまった。 クラントン一家がその犯人であると踏んだワイアットは保安官となってトゥームストンに留まる事を決意。 町では賭博師ドク・ホリデイと知り合い、次第に友情を深めていく一方、 ドクを追ってやって来た美しい婦人に一目惚れするワイアット。やがて……。 クライマックスのOK牧場の決闘。全編に詩情とともに緊迫感がはりつめていた。
アメリカ 1956年制作 「OK牧場の決闘」
保安官ワイアット・アープ(バート・ランカスター)。 酒と賭博に身をもちくずした医者ドク・ホリデイ(カーク・ダグラス)。 保安官ワイアット・アープがドク・ホリデイの助太刀でOKコラールに 仇敵クラントン一家と死闘を交えたという西部歴史に語り伝えられる事件の映画化の第2作である。 保安官のバッジを返し旅支度をしていたがそこへ舞込んだ一通の電報。決闘の場所はOKコラール。 ドクが重病を押して駆けつけ数の劣勢をアープ側は腕と頭でおぎないピリピリした緊張感のなか激しい戦いが・・
アメリカ1949年制作。西部劇の大御所ジョンウエイン主演とジョン・フォード監督。 退役を間近に控えた騎兵隊の大尉ネイサン(ウェイン)は、隊長の妻と姪を護送する任務を仰せつかった。 しかし彼らの隊は、インディアンの大軍に行く手を阻まれ砦に舞い戻ることを余儀なくされる。 しかし、ネイサンは退役まで残されている4時間という限られた時間の中で集結しつつある インディアンを追い払おうとするが……。 「アパッチ砦’48」と「リオ・グランデの砦’50」の間に位置するフォードの騎兵隊3部作の第2弾でした。
ジョン・ウェイン(1907〜79)と監督ジョン・フォードとで多くの作品を生み出し35年間で「駅馬車」 「黄色いリボン」「静かなる男」「捜索者」「荒鷲の翼」「リバティ・バランスを射った男」 等のフォードの映画20作以上に出演し幾つかはウェインの代表作となった。 ウェインは西部劇や戦争映画において強くて英雄的な役割を多く演じたが オスカーは1969年「勇気ある追跡」の最優秀主演男優賞のみである。 私は孤高のゲイリー・クーパーも大好きです。
残像が甦る私の名作
「第三の男」
イギリス1949年制作。オーソンウェルズ主演。 第二次大戦後のウィーンが舞台で 陰影や構図を凝らしたサスペンス・スリラー。 全編流れるアントンカラスのチターのメロディーが 印象的。プラターの大観覧車。闇社会の黒幕ハリー(ウェルズ)と旧友がこの大観覧車の貨車のようなキャビンで 対面する場面は緊張感とスリルが印象的で一躍世界一有名な大観覧車になった。 建設は1897年で高さは65Mキャビンは30であったが第二次大戦で焼け落ち戦後いち早く復興され 映画製作時はキャビンが半減して15となった。
オーソンウェルズ(1915〜85)'38年CBSからニュース形式で放送された「宇宙戦争」は あまりにもリアルな演出のため全米がパニックに陥るという現象を巻き起こした (この出来事は後に「アメリカを震撼させた夜」としてTVM化された)。41年「市民ケーン」を制作。 当時弱冠25歳にして巧みな構成と斬新なカメラ・ワークで世界中の映画ファンを愕然とさせた。 俳優としては独特の顔立ちと大柄な体型を活かした性格男優で痺れさせられた俳優です。
アメリカ 1952年制作。グレゴリー・ペック主演。 主人公ハリーはシカゴでの初恋に破れて以来、世界を放浪する身となった。 パリで知り合ったモデルをするシンシアとの恋は熱烈だったが、家庭を持ちたがる彼女とは衝突も多く、 彼女の故意の流産が原因で一旦は破局を迎える。リヴィエラでは彫刻家の伯爵夫人リズと関係を持つが、 これは一時の逃避、気休めにすぎなかった。スペイン内戦に義勇軍として参加、 束の間のシンシアとの再会に愛は再燃するが、彼女はそこで還らぬ人となってしまう……。
グレゴリー・ペック(1916〜03)「炎のロシア戦線」で映画デビュー。 独立プロを設立して製作した「白鯨」や「大いなる西部」の興行的失敗や低迷もあったが 「ナバロンの要塞」で復活「アラバマ物語」で念願の主演賞の栄冠を手にした。 またアカデミー協会、ハリウッド俳優組合等俳優の権利と地位向上にも取り組み尽力し 政治活動も盛んでニクソン政権下の時はブラック・リストに載った事もある。 千冊以上もの蔵書を持つリンカーン研究者としても有名。ハンデー背負った真の男を私は感じた。
アメリカ1953年制作。アラン・ラッド主演。 舞台は緑麗しいワイオミングのロッキー山脈グランドティトン山の高原地帯。 開拓移民のスターレット一家と一度捨てた銃を持って闘う旅人シェーンとの絆を描く。 アラン・ラッドは甘いマスクと敏捷な立ち振る舞いで人気をはくすが残念ながら代表作はこれ一本。 私の脳裏にはいまだに残像がある「カムバックシェーン」 とラストシーンがあまりにも有名な西部劇史上に残る傑作です。
また西部劇特有の赤茶けた砂漠とサボテンはなく雪をいただく山並みと緑豊かな草原に爽快さを感じた。
アメリカ/イタリア1953年制作。ジョヴァンニは車上で彼女との別れを惜しむあまり、 動き出してから飛び降りホームの上に叩きつけられた。列車は闇の中に走り去っていった。
ジェニファ・ジョンズ。43年「聖処女」で本格的に映画デビュー。そしていきなりアカデミー主演賞を受賞。 それ以降もセルズニックのバックアップと天性の美貌でハリウッド・スターの名を欲しいままに 「白昼の決闘」「ジェニイの肖像」「終着駅」「慕情」と代表作を連ねた。
残像が甦る私の名作
「海底2万哩」
(板観未制作)
海底二万哩(海底20000マイル/海底2万マイル)アメリカ1954年制作。 カーク・ダグラス 、ジェームズ・メイソン 、ポール・ルーカス 。
19世紀半ば世界各地の海で謎の怪物による沈没事故が続発していた。 そして米政府が送り出した調査船の目の前に現れた怪物。その正体は 戦争を憎むネモ船長が操る万能潜水艦ノーチラス号だった……。 ジュール・ヴェルヌの古典SFをディズニーが映画化した冒険大作です。
小学生の集団映画鑑賞会での印象が鮮明に残っている。
フランス1954年制作。ジャン・ギャバン主演。 初老のギャング役で大金をめぐる暗黒街の男たちの闘争を描くアクション映画。 この頃のジャン・ギャバンは渋い。
フランス1955年制作。ジャン・ギャバン主演。中年のトラック運転手と彼の常宿で働くけなげな 女中との悲しき愛のメロドラマ。人生の悲哀を演じる。
ジャン・ギャバン。フランス(1904〜76)'35年の「地の果てを行く」で人気を得て 以降は「どん底」「望郷」「大いなる幻影」という名作で人生の悲哀を巧みな演技で披露。 やがて第二次大戦の戦火の逃れてハリウッドに移住。 戦後フランスに戻って「フレンチ・カンカン」や「現金に手を出すな」「ヘッドライト」で円熟味を増した個性を光らせた。 '60年以降は脇に廻ったがその重厚かつ渋い演技力で「地下室のメロディー」 「暗黒街のふたり」でアラン・ドロンをサポートするなど最後まで存在感あるその個性には定評があった。 '76年、自らの集大成のような秀作「脱獄の報酬」を最後に同年心臓発作でこの世を去った。 渋くて存在感ある演技に私は惚れていた。
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