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伝承と伝統の民族文化遺産


祭りだ!神輿だ! 神輿事典


    え項目

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住吉神社の江戸里神楽。08.08.02.
住吉神社江戸里神楽








江戸里神楽 (えどさとかぐら)=神楽参照
江戸里神楽は笛、大拍子、長胴太鼓を3名の基本とする囃子に、仮面をつけ、時に素面で古事記、 日本書紀の神話を演じる無言劇の形態をとる神楽の総称。

東京都を中心に、埼玉県南部、神奈川県東部、千葉県西部などに広く伝承されており、主に神社の祭礼で上演される。
平成6年(1994)に、東京都台東区蔵前の若山社中、品川区東大井の間宮社中、荒川区西日暮里の松本社中、 稲城市矢野口の山本社中の4つの団体が代表して重要無形民俗文化財に指定された。
このほかに、萩原彦太郎社中(東京都新宿区)、萩原正義社中(板橋区)、岡田社中(さいたま市南区)、 前田社中(入間郡三芳町)、石山社中(新座市)などで伝承されている。

相模流と江戸流に大別され、囃子に使用する能管の構造が異なるが、どちらも演目などの技芸的な差はない。 代表的な演目に「八雲神詠」「天之磐戸」などがある。ほかに稲荷信仰から派生した「神明種蒔」、 近年は「紅葉狩」や「釣女」など能や狂言から取材した演目も上演されることがある。
付属芸能として、面芝居を上演した社中が多かったが、現在はほとんど伝承されていない。 それに代わり、江戸祭囃子、寿獅子舞を余芸とする社中が多い。

    お江戸八百八町: 江戸 (えど)
古今要覧稿に「江所(江に臨む所)」の意とし、アイヌ語源説では宇土・烏頭と同じく出っ張ったところの意とする。 東京の旧名。
古くは武蔵国豊島郡の一部に過ぎず、平安末期に秩父氏の一支流の江戸四郎重継が今の皇居の地に居館を営み、 長禄1年(1457)大田道灌が築城、その後上杉・北条の手を経て、 徳川家康が天正18年(1590)幕府を開き、慶長9年(1604)から江戸城を大きく改造した。
以降4代将軍家綱の頃まで、諸大名に課しては大工事を起こし、江戸幕府300年の間、 江戸八百八町の繁栄を保ち、享保(1716〜1736)以降は人口が百万以上(武家50万、町方50万人)の世界最大の大都市となった。
慶応4年7月(1868年9月)に都を西の京から遷都し、東の京として東京と改称された。

小村井香取神社玄武。08.09.07。
北の守り神 玄武
小村井香取神社青龍。08.09.07。
東の守り神 青龍

小村井香取神社朱雀。08.09.07。
南の守り神 朱雀
小村井香取神社白虎。08.09.07。
西の守り神 白虎
江戸の守り神 (えどのまもりがみ)=参照:四神
慶長8年(1603)徳川家康がこの地に幕府を設立して以来、徳川家康のブレーンだった天台宗の天海僧正 (会津生まれ江戸幕府宗教行政の中心人物)が、 風水の原理を利用し、江戸が霊的に守られるように設計したのです。

    北の守り神とされる「玄武」(亀と蛇の合体)、 東の守り神 「青龍」、
    南の守り神  「朱雀」、     西の守り神 「白虎」の四神が、
それぞれ「山」、「川」、「池や海」、「道」の象徴であるという考え方から来ている。
 (お江戸の神輿には、この四神が吹き返しや台座などに彫金等で多様されている)

  江戸の周辺を見ると、北の方角に「麹町台地」があり、 東の方角には「平川」や「隅田川」、南には「江戸湾」、西には「東海道」がある事がわかる。

しかも、江戸城本丸から見て東北の方角にある上野に「寛永寺」を建立して鬼門を封じ、さらに、 その反対側の南西方向には山王神社を建て、裏鬼門をも封じた。
  「鬼門」とは陰陽道(おんようどう)で、鬼が出入りするいって万事に忌み嫌う方向
  で、丑寅(うしとら=艮)すなわち東北の称。
  「裏鬼門」は鬼門の反対の忌む方向で、未申(ひつじさる=坤)南西方の称。

なおかつ、密教にも通じていた天海は、江戸を取り巻くように
    「目黄不動」 (江戸川区平井)  「目青不動」 (世田谷区太子堂)
    「目赤不動」 (文京区本駒込)  「目白不動」 (豊島区高田)
    「目黒不動」 (目黒区下目黒)
という五つの寺を配置した。 この黄・青・赤・白・黒の五色は、密教の五大元素に対応していると。 なお目黒、目白の地名はこの不動尊から命名されているとか。

「麹町台地」は開府当初から山でなく平らな土地に、 「目黄不動」と「目青不動」が設置されたのは明治13年以降の事、 と一部理解できぬ不自然な所がありますが。



江戸っ子 (えどっこ)
江戸で生まれ、江戸で育った生粋の者。
普通は、おもに町人に対して用い、物事に対しこだわらず、 金銭に淡白で威勢がいいなどの含みで用いる。 東京に生まれた者にもいう。江戸者。江戸衆。

江戸生まれを自慢する者が多くなる幕末期には両親ともに江戸生まれの者を、 「生粋の江戸っ子」「ちゃきちゃきの江戸っ子」と称した。

芝大神宮の江戸文字駒番。07.09.16. 江戸文字 (えどもじ)
江戸で、興行の看板や番付けに用いた独特の書体の文字の総称。

歌舞伎の勘亭流(かんていりゅう)のほか、寄席文字、相撲文字などがある。

    お江戸八百八町: 江戸前 (えどまえ)
もとは江戸城の前面の海の意で、 江戸城の東にあたる隅田川河口の日比谷(江戸城と前島に囲まれた入江であった=前島沖が江戸湊) から現在の山手線の新橋、浜松町、田町、品川沿いを江戸前と呼ぶようになった。

その後そこで捕れる新鮮な魚をさしたが、 転じて生きのいいものをさすようになり、とりわけ浅草川や深川などで捕れるウナギに、 享保以降(1716〜)宝暦のころには「江戸前の鰻」の名をあてていた。
文政年間(1818〜)ごろからは、豊かになった庶民の消費増もあり、 江戸前の海とは、拡大して西は品川洲崎から東は深川洲崎の二地点を基点にした内側の海をさした。

保存が出来ない時代で時間がかからない江戸前の魚を、 やがて握りずしが人気を得るにつれて、生きのいい魚を使った握りずしを「江戸前」と称するようになった。

江戸前とは場所を示す言葉であったが、やがて生きのよさの代名詞になったのです。

千住葱、小松菜、金町小蕪。
江戸野菜







    お江戸八百八町: 江戸野菜 (えどやさい)
現在の東京で江戸時代から作られていた野菜で、小松菜、練馬大根、滝野川ごぼう、 大蔵大根、谷中しょうが、亀戸大根、馬込三寸人参など15以上が残っている。

亀戸大根:  砂村(江東区北砂など)や亀戸で栽培され、小ぶりで肉質が緻密。
練馬大根:  練馬区の特産品の大根、白首大根系で辛味が強い。
   文献上の初見は、天和3年(1683)の地誌「紫の一本」(戸田茂睡編)に
   「ねりま大根・岩附牛旁・笠井菜・千住ねぎ」とある。
滝野川牛蒡: 滝野川村(北区滝野川)で栽培で、長さが約1メートルと長いのが特徴。
馬込三寸人参: 天領の馬込(大田区南馬込)で栽培。短くて太い形状で甘みが強い。
小松菜:   ツケナ類(ノザワナ、チンゲンサイ)の一種で、江戸時代初期に現在の東京都江戸川区小松川付近で、 ククタチナ(茎立ち)を品種改良して栽培され始めたといわれる。 将軍吉宗の鷹狩りの際に献上され、そのときに地名から小松菜の名がつけられた、といわれる。

写真は江戸野菜の千住葱、小松菜、金町小蕪

富岡八幡の絵馬。08.07.16.
国領神社千年乃藤祭りで頒布の絵馬。07.10.07.
絵馬 (えま)
祈願または祈願成就の感謝の証として神社に奉納する馬の絵を描いた額のことを「絵馬」といいます。 絵馬の形は板の上部を山形にしたものが大半を占め、これにそれぞれの願い事を書いて奉納します。

日本では古くから神様の乗り物として馬が神聖視され、お祭りや祈願の時には神馬(じんめ) といって生きた馬を神社に奉納する風習がありました。 その代わりに板に馬の絵を描き、奉納するようになったのが絵馬の起源とされています。

絵馬が一般大衆に広まったのは鎌倉時代以後のことです。 その頃から、馬の絵の 他にもさまざまな動物 (キツネやヘビなど、 御祭神と関わりのある動物)も描かれるようになりました。 さらに時代が下るにつれ、図柄は多様化していったのです。

明治神宮紀元祭の烏帽子。08.02.11.



烏帽子 (えぼし)
烏帽子とは平安時代から近代にかけて和装での礼服着装の際に成人男性が被った帽子のこと。 初期は薄い絹で仕立てたものだったが、のちに黒漆を塗った紙製に変わる。 黒く塗った帽子の色が烏のようであることからこの名前が付いた。

衣装の格式や着装者の身分によっていくつかの種類があり、厳格に使い分けた。
正装の際にかぶる冠より格式が落ち、平安から室町にかけては普段着に合わせて着装した。

本来男性用であるが白拍子など女性が被る場合もある。 現代では大相撲の行司が着用しているのを見ることができる。

延喜式内社 (えんぎしきないしゃ)=式内社
延喜式とは、平安時代の中頃の延喜5年(西暦905年)、醍醐天皇の命により藤原時平らが編纂を始め、 時平の死後は藤原忠平が編纂に当たり延長5年(西暦927年)に完成した国家の法律の施行細則等を定めた漢文で記された全50巻。

その「延喜式」の巻の九と巻の十にその当時の政府が公認していた神社が記載されており、 この両巻を延喜式の「神名式」あるいは「神名帳」と呼んでおり、 関西方面を中心に全国2,861処の神々が記載されている。

これらの延喜式に載っている社のことを「式内社」といいます。

縁日 (えんにち)
ある神仏の降誕・示現など、特別の縁があるとして祭典・供養を行う日。
この日に参詣すると大きな功徳があるとされる。参詣人めあての露店が出てにぎわう。

  毎月5日は水天宮。8日は薬師。 18日は観音。25日は天満宮。28日は不動尊。


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