恵比寿べったら市
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お江戸八百八町: 季節を告げる江戸の歳時記 (さいじき)
一月 恵方参り。
元旦は夜の明ける前からその年の縁起の良い方角、
恵方に当たる神社仏閣に参詣
するのが恒例。正月の町には万歳、越後獅子、太神楽、猿回しなどが門かどを巡り
歩き年の初めを祝った。
二月 縁日初午祭。
稲荷信仰が盛んで、この月最初の午の日には幟や地口行灯を飾り、子供達は一日
中太鼓を打ち鳴らした。
三月 浅草三社権現の祭礼。
17日、18日に御輿三基を三艘の船に乗せる船祭礼で賑わった。
四月 亀戸天神の神御衣祭。
冬の衣を夏の衣に換える行事。境内の藤のお花見も有名。
五月 両国の川開き。
28日は玉屋と鍵屋の豪華絢爛な花火の競演。この日から大川端での納涼始まる。
六月 天下祭の山王祭。
十四、十五日は神田祭と隔年で行われる祭礼で、将軍家上覧の山王祭は天下祭と
いわれた。参加町数は160町、山車は40数台を数えた。
七月 二十六夜待。
二十六日は月の出を待つ風習があり、深川洲崎、湯島天神境内、なかでも高輪海
岸から品川にかけての酒楼や茶屋が賑わった。
八月 深川八幡宮の祭礼。
十五日は八幡様の祭礼で氏子の町々はことごとく大幟を立てるので俗にのぼり祭。
九月 神田明神の祭礼。
十五日は江戸城中に御輿、練物を引き入れるもう一つの天下祭。山王祭との隔年で
の行事。
十月 恵比寿講。
二十日に商売の神様で商家では客を招き酒肴でもてなす。この日から大根の新漬け
を売りだす。
(現代のべったら祭)
十一月 酉の市。
吉原裏手の鷲(おおとり)明神が有名であった。
十二月 浅草観音の年の市。
十七、十八日に開かれ新春を迎えるための品物を買い揃えた。
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